『バ ング ント』展を体験した直後はそれこそドキドキしっぱなしだったけど、ちょっと冷静になってみると、あのときの想いの中心にあったのは実は「うわーやられたー」っていう思いとそれに対する「くやしいー」っていう気持ち。それともうひとつ「オレもやりたいー」っていう単純な興味だったりしたことに気付いた。
あの後、たとえば寝ていて夜中トイレに行くのに起きたりするときのちょっと前とかの、なんだか急に暗闇の中で眼が開いてしまった時の、とりあえず自分の置かれている状況がいまいち把握できていない状態にふとあの箱の中身が思い出されて「こんな感じなのかなー」とか、ちょっとシミュレーションしたりしてます。
箱の中はどんななんだろう?
実は結構楽しいんじゃないか?
なんだか盛り上がってたりして。
突然、クリス・カニンガムのDVDムービー、"Rubber Johnny"を思いました。
このムービーを最初観たときは、映像がどうのこうのよりも、生身の肉体が音にここまでシンクロちゃうと滑稽以外の何物でも無いなー(ていうかキャラが既に)、とか思って、孤高とか言われてるクリス・カニンガムのユーモア(ていうのかな)センスを面白いと思ったんだけど、でも良く考えたら、人が見てない(見れない)暗闇の中なんだもん、脳内音楽にすげぇシンクロして踊っている可能性だって十分あるワケですね。暗闇の外からは確認できないだけで。だから滑稽と思う俺が滑稽なのかもしれない。ていうか説明文に書いてあるし。
「 地下室に閉じこめられながら、異常とも言える想像力を駆使し、暗闇の中で自分を楽しませる術を獲得していく突然変異の子供=ラバー・ジョニー。」
やっぱり暗闇の中で楽しんでる。楽しませる術を獲得しちゃったんだ。いいなぁいいなぁ。
僕らはまだ箱の外側だけしか体験してないんだもんなぁ。
正直、箱の中がうらやましいです。
今日の一枚:Rubber Johnny / Chris Cunningham
実際は相当しんどいんだと思うよ。でも見る人みんながそう思い込んでいるところがあって、そういう見方からすると、俺たちの理解できない楽しい事ってのもあるかもしんないね。まあ、やってる人でないと分からないんだな。でもやるのはちょっと。ある意味禁固1ヶ月以上の懲罰だからね。