さて、村上龍の新作が出るというので予約してみた。彼の本を読むのは『希望の国のエクソダス』以来かなぁ。なんか、いつも思うのだけど、彼の小説を読んでいる間は心拍数が普段よりも高まる。単純にドキドキしているっていう感じじゃなくて「血が騒ぐ」みたいな表現のほうが正しいかもしれない。
で、そのドクドクする「血」っていうのはキレイな赤いサラサラな血じゃなくて、このくらいの赤、少し濁った赤のイメージ。んで、不透明。アクリル塗料とかみたいにドロッとしていて不透明。そんな「血」がグツグツ煮えたちながら体中を流れている、そんな感覚を持ちながら読んでいるような気がする。
さて、『半島を出よ』。内容はまだよく分からんのだけど、書かれているテーマや要素は相変らず興味を引くようなのが散りばめられていて血が騒ぐにはいいカンジ。それと、けっこう表紙のデザインがわりと良さげ。カエルは気持ち悪くて好きじゃないけど、気持ち悪いカンジも含めて良さげ。
ていうか、実は内容以前にこの表紙でグッと来ていたのだった。何故ならば!下巻の表紙の海の色が!河の色が!このくらいの不透明な赤!!!この赤に俺の中の「血」が反応してしまったみたい。ヤバいなぁ。